秘密の森の沼地にて

わたしの泡は秘密なんです

どこかにいる菫の花を思いながらつぶやく

交換日記なのに

また問子が書くのです。

ここは

きっと菫さんしか目にしない、

いや、もしかしたら菫さんすらも目にしない

誰も来ない

森の奥深くにある秘密の場所だから。

 

今日、私はたくさん泣きました。

まだまだ泣けそうです。

 

私は元々

とても嫉妬深い性質を持っていて

嫉妬深いということは

私が私を信頼できていないということ、

私が私をあきらめきれていないということ、

です。

 

私はつまらないヒトです。

飽きたら棄てられるおもちゃです。

当たり前です。

人間は自分に何かを与えてくれるヒトを

求めているのだから。

私だってそうです。

そうやって

色んなヒトと縁を結び、縁を切ってきました。

 

今度は私は棄てられます。

 

常に進化して上昇しているヒトにとって

最初に会ったときは新鮮だったのだろうけれど

やがて

もっと面白いものをくれるヒトを求めて

もっと自分に刺激を与えてくれるヒトを求めて

自分を高めてくれる新しいものを

しっかり掴んでいくのでしょう。

 

飽きた古いおもちゃを手放して。

 

それはきっと私もそうだから

責めることはできないです。

ただ、

自分を責めるのみ。

 

私はいつも同じ場所にいて

いつも暗黒を愛していて

でも空へ駆け上る龍に

闇は必要ないから。

 

きっと、

そうやって自分を大切に自分の楽しいやワクワクを

一番大切にして

それに沿ってどんどん脱皮して

いらないものは棄てて

そうやって幸せを拡げていく、

そういう時代なのだろう。

 

私は時代遅れの型なのだ。

 

今、ここにはいない菫さんに

私はつぶやくのです。

 

この森の奥に棄てられたおもちゃである私は

いつか

森を出なきゃいけないのですか?

一生、ここに、こうして

苔の生えた石を枕にして

時々そよぐ風と

小さな池に起こる波紋を感じて

眠っていてもいいですか。